玄海で未来のエネルギーを描く ― 施設見学と討議の学び
令和7年9月17日、本学科の学生21名と教員3名が、2025年度資源エネルギー庁主催「エネルギー施設見学会」に参加しました。この見学会は、九州地域の大学生を対象に、日本のエネルギー事情や発電の仕組みを現地で学ぶことを目的として行われたもので、佐賀県玄海町にある玄海町次世代エネルギーパーク「あすぴあ」および九州電力株式会社「玄海エネルギーパーク・玄海原子力発電所」を訪問しました。
まず、資源エネルギー庁職員による「エネルギー政策の今後の方向性について」の講義があり、日本の電源構成やエネルギー自給率の課題、再生可能エネルギーや原子力発電の役割について幅広く学びました。特に、世界的な脱炭素化の流れや電力需要の増加を背景に、安定供給と環境負荷低減を両立させるために多様な電源を組み合わせる重要性について理解することができました。
続いて「あすぴあ」では、風力・太陽光・バイオマスといった再生可能エネルギーに関する展示や体験を通じ、次世代エネルギーの可能性を実感しました。サイエンス館では、原子炉の仕組みや安全対策について説明を受け、シアターや模型展示を通じて原子力発電の特徴を学びました。さらに、玄海原子力発電所では、福島第一原子力発電所事故以降に導入された多重防護策や緊急時対応設備を実際に見学し、現場ならではの緊張感を体験しました。
最後に行われたグループワークでは、「S+3Eを目指した2050年度の電源構成を考えよう!!」をテーマに討議を実施しました。再生可能エネルギーの拡大や原子力の位置づけ、火力発電の縮小などについて意見を交わし、コスト・安全性・環境負荷といった観点を踏まえながら、現実的で持続可能なエネルギーミックスを考える貴重な機会となりました。
今回の見学を通じ、学生たちはエネルギー問題を多角的に捉える視点を養い、今後の学びや社会への貢献に向けた意欲をさらに高めることができました。
講義「エネルギー政策の今後の方向性について」
サイエンス館
2050年の電源構成について
班でまとめた意見を発表する様子