2025 年度「原子力規制人材育成事業」に参加しました。
3年生が、2025年度原子力規制人材育成事業「放射線規制及び災害に対応可能な実践力を有する放射線取扱主任者育成」の一環として実施された「岐阜-静岡実習」(9月7日~9日)に5名、「九州-琉球実習」(9月17日~19日)に2名、それぞれ参加いたしました。
「岐阜-静岡実習」では、岐阜薬科大学において「GM計数管を用いた二線源法による分解時間の算出」「半減期の差に基づく大気中ラドン/トロン濃度比の導出」の実習を通じ、計数損失補正や崩壊系列、環境放射能の基礎を体系的に学びました。
続いて静岡大学では「フリッケ線量計による線量測定」「αスペクトル解析」を行い、管理区域内での厳格な放射線安全管理を体験しながら、高放射能60Co線源を用いた照射実験にも取り組むことができ、極めて実践的な学修機会となりました。
「九州-琉球実習」では、九州大学・琉球大学にて「電離箱によるトリチウムβ線計測」「クロマトグラフィーを用いた核種分離」「水中ラドン濃度の測定」の3実習を行い、低エネルギーβ線核種の測定や核種分離、自然放射性核種の同定などについて理解を深めました。
さらに、両実習後には原子力規制庁において原子力発電所中央監視装置シミュレータの操作体験や緊急時対応センター(ERC)の見学を行い、核テロを想定したグループワークにも参加しました。
学生たちにとって、原子力安全対策を主体的に考える貴重な契機となりました。
参加者からは「実習を通じて放射線に対する理解が一層深まり、将来に向けた学びのモチベーションが高まった」との感想も寄せられました。
このたびの実習にあたり、静岡大学の大矢先生をはじめ、各実習でご指導いただきました講師の先生方、ならびに関係スタッフの皆様に、心より御礼申し上げます。
核テロを想定したワークショップの様子
塵埃中に含まれる天然放射性物質の採取の様子
α線源のスペクトル測定
クロマトグラフィーによる核種分離
フリッケ線量計の試薬調整
回収装置によるトリチウム捕集の様子