この度の協定締結は、純真学園大学と福島県広野町との長年にわたる深い絆の上に成り立っています。本学の新井正一学部長は、東日本大震災後の2011年8月から2016年3月まで、広野町放射性物質除染アドバイザーを務めました。この間、新井学部長は学生たちと共に約20回にわたり現地を訪問し、土壌調査を含む放射性物質に関する調査研究を継続的に実施してきました。
この継続的な協力関係はさらに発展し、2017年1月11日には純真学園大学と広野町との間で「放射性物質の測定及び人体・環境への影響調査及び連携協力に関する協定」が締結されました。それ以降も、新井学部長は毎年学生を引率して広野町を訪れ、ALPS処理水の海洋放出などについて意見交換を行うなど、被災地の現状を学生に伝える重要な役割を担っています。
今回の協定では、純真学園大学がふたば未来学園高等学校を「学校推薦型選抜(指定校)」として認定し、同校からの推薦に基づき入学した生徒に対し、4年間の学費等を優遇する特別措置を実施します。看護学科、放射線技術科学科、検査科学科、医療工学科において、各1名の推薦を受け入れる予定です。
本取り組みは、福島県における医療人材の育成と、震災からの復興を担う若い世代への支援を目的としており、今後の地域医療と社会貢献を見据えた新たな人材育成モデルとして期待されています。
「東日本大震災・福島第一原子力発電所事故の発生から15年目の節目に、この相互連携協定締結式を迎えられることに、比類ない誇り、興奮、そして感謝の念を禁じえません。新井学部長先生におかれましては、学科長のときから学生さんと常々ご来町いただき、大学で学ばれる放射線科学等を通して、福島を見つめていただいていることに心からの敬意と感謝を申し上げます。この協定締結が、福島復興の大きな期待となることを心から祈念申し上げます」。
「東日本大震災及び原発事故から十余年が経過し、福島県双葉郡は着実に復興を進めてきました。特に本校を支援くださる広野町においては教育環境の整備に多大なるご尽力を賜っております。純真学園大学の教職員及び学生の皆様の多大なるご支援があったからこそ、この教育環境整備への指針をいただけたと深く感謝申し上げます。本協定により、本校生徒が純真学園大学への進学を通じて「気品」「知性」「奉仕」の精神を身につけ、いずれは双葉郡・福島県の復興、医療環境の充実のために寄与してくれるものと確信しております」。
「この協定を結べますことを本当に誇りに思っております。本学は東日本大震災が発生した2011年の4月に開学しました。震災の時に感じた“絆”や“結束”といったものの大切さを、時間が経つごとに改めて思い出す必要があります。ふたば未来学園高校という素晴らしい学校と協定を結び、そこから進学いただく生徒さんが福岡の中で様々な問題提起をしていただき、多様な価値観を共有しながら新しい学び、新しい価値観の創造につながることを期待しております」。
「震災の頃、福島の方々から様々な情報が入ってきており、なんとか貢献したいという気持ちがずっとありました。今回の機会をいただき、教育の中で皆さまと強い繋がりを進めていければと考えております」。
「2011年の東日本大震災直後から、文部科学省の依頼を受け福島県内の放射線測定や土壌調査を行ってまいりました。その際、広野町を担当させていただき、ご縁が生まれました。2017年からは本学と広野町で協定を結ばせていただき、放射性物質の測定や人体・環境調査を震災復興支援として取り組んでおります。今後もふたば未来学園高校様と一緒に、様々な関係を持たせていただければと思っております」。
純真学園大学は、この協定を通じて、未来を担う若者たちが医療分野で活躍し、福島県の復興、さらには日本の社会貢献に寄与できるよう、引き続き支援してまいります。