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2024-09-10 お知らせ
福島第一原子力発電所ならびに原発周辺地域の現地視察に放射線技術科学科2~4年次生23名が参加
資源エネルギー庁の「多核種除去設備等処理水風評影響対策事業」による福島第一原子力発電所および被災地における理解醸成・情報発信推進のための現地視察の公募に応募し、本学が採択され、放射線技術科学科2~4年次生23名、教員4名が福島第一原子力発電所ならびに原発周辺地域の視察に行ってきました。
9月2日朝9時に羽田空港第二ターミナルに集合し、大型バスで福島に移動。富岡町にある東京電力廃炉資料館で約1時間のオリエンテーションを受けたのち、東京電力が用意したバスで福島第一原子力発電所構内へ向かいました。入退域管理棟にて一人ひとりの本人確認が行われ、準備された個人被ばく線量計を各自装着して、バスで構内を移動。車内で各施設の説明を受けながら移動。走行中バス内に設置された空間線量率がリアルタイムで表示されていました。数値を見ながら原発構内であっても線量が高いところ低いところと様々であることがわかりました。またALPS(多核種除去装置)も目的に応じて多種多様あり、多数設置されていました。
原子炉建屋1号機、2号機前に到着したところでバスを降車、ブルーデッキ上で原子炉建屋を見学しました。わずか170m先に巨大な原子炉建屋が4つあり、特に1号機は大きく破損した状態のままで、防護衣を着た作業員の方々が慌ただしく作業を行っている様子が見え、改めて事故の大きさを実感しました。空間線量も、持参したサーベイメータの上限値をはるかに超える値がエリアモニタに示されていて、参加者全員とても緊張しました。
その後、バスに再び乗車、移動し、グリーンデッキでバスを降車。ALPS処理水を海洋放出する場所を見学しました。FUKUSHIMA50の映画でも出てきた免震重要棟やたくさん並んだタンク群をバスの中から見学し、最初にバスに乗り込んだ入退域管理棟に戻って、汚染検査を受けて構内を出ました。入るときも出るときも厳格なチェックが行われており、テロへの警戒を改めて感じました。
この他、いわきららミュウで海産物、いわきワンダーファームで農産物の風評被害について生産者の方々から直接、お話を伺いました。
特定廃棄物埋立情報館リンプルふくしまでは、放射性物質で汚染された廃棄物を埋め立て処分している様子を見学しました。この処分場ももう間もなくいっぱいになるため別の場所に移るそうです。その後、埋め立てられた場所をサーベイメータで測定し、線量の確認を行いました。ホテルで夕食後、グループに分かれ今日学んだことを話し合い、お互いにプレゼンテーションを行い、情報の確認をしました。
今回の視察は初めて経験することばかりで、放射線を学ぶ私たちとってたいへん貴重でした。特にあの大きな原子炉建屋がいまだに壊れた状態でおかれていること、高い線量の中で、1日4,000名もの作業員が黙々と廃炉作業に従事されていること。福島の漁業者の方々、農家の方々は、海産物や農産物一つひとつを丁寧に出荷されているにもかかわらず福島産ということで風評にさらされていることを伺いました。私たち消費者も科学的な根拠に基づいた正しい知識のもと、もっともっと福島のことを考え、支援していくべきだと思いました。
福島第一原子力発電所原子炉建屋の様子
(東京電力ホールディングス ホームページより)
いわきららミュウで 3・11東日本大震災展を見学
- 「特定廃棄物埋立情報館リンプルふくしま」で埋立の様子を視察
特定廃棄物埋立地にてサーベイメータで空間線量率の測定
- いわきワンダーファームで参加者全員の記念撮影
- いわきワンダーファームでトマトの試食
- 夕食後、今日1日学んだことを皆で話し合いました
- 福島県産の食材を使った昼食