5月若草の薫る夜、純真の杜から漂う甘い蜜のかおり…。
顔を少し上げるとそこに広がっていたのは、シロツメクサの群れでした。

ひんやりとした感覚の中にやわらかく敷き詰められた葉の上に寝転がって空を眺めたり、四葉のクローバーを探したり、花冠を作ったりした体験は、誰でもお持ちなのではないでしょうか？

宮沢賢治の童話「ポラーノ広場」では、伝説の広場を探す道標として【つめくさのあかり】が登場します。夕暮れ時、小さなぼんぼりのような白いつめくさの一つひとつに茶色の算用数字のようなものが書いてあり、それを辿ると伝説の祝祭広場にたどり着くというのです。

「純真の杜」には、シロツメクサだけではなく、アカツメクサも咲いています。

シロツメクサの花言葉は「約束」、アカツメクサの花言葉は「勤勉」。

一面のツメクサの群れは、入学の時に誓った「約束」を「勤勉さ」を持って果たしなさいと、学生たちの背中を押してくれているかのようです。