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2022-09-20 お知らせ

【検査科学科学生】「杉野ハンセン病資料室」の見学と講演会を聴講

「杉野ハンセン病資料室」の見学と講演会に行きました

 2022年9月13日、検査科学科の1年次生15名と教員2名が、鞍手郡小竹町にある「杉野ハンセン病資料室」を訪問し、資料室の見学と高石伸人氏による講演会を聴講しました。
  
 資料室は、障害者地域活動センターの一角を展示室として使用しており、開設者である高石さんは、全国のハンセン病療養所に入所していた方々の体験談を基に、写真などを交えて淡々と分かり易く、されど知られざる「ハンセン病」の真実を赤裸々に語って下さいました。
 根強い差別や偏見に苦しみ続けた入所者の方々の人生は想像を絶するものがありました。その一方で、人や病を恨まず、人との出会いに感謝の念を抱くなど、壮絶な苦しみの中でも人間の尊厳を失うことのない生き方に、心を打たれました。
 今回の訪問だけでハンセン病に関する根深い社会問題の全てを知ることは出来ません。しかし、こうした差別や偏見、スティグマタイズは、現代社会でも同じ根源を持つと考えられる種々の問題が起こっています。知らなかったことを恥じるよりも、この貴重な経験を機に、他者への思いやりの気持ちを持って人と接することが、どれほど尊いことかを胸に刻み、これから医療人として、人として歩んでいかなければならないと感じました。

 この研修は、長引くコロナ禍のため、入所者が暮らしている「菊池恵楓園(熊本県)」への訪問が叶わない中でハンセン病問題についての啓発活動を継続していくために、福岡県藤楓協会の方々により企画された、医療系大学の学生を対象とした研修会でした。感染対策を徹底した上で、このような機会を下さった皆々様に心より感謝申し上げます。
 

高石さん(写真左)による写真や展示物の説明

 暗く重たい歴史の一幕、ハンセン病問題。1990年代頃から、元患者らによる差別問題の提言や法改正を求める動きが活発化し、2000年代に入ると、ハンセン病に関する国を相手取った裁判での勝訴や法改正、また資料館の開設などが相次ぎ、誤った認識に基づく差別や偏見をなくす啓発活動が続いています。しかし、差別や偏見は過去の歴史に終わらず、今も続いているという事実を知りました。
 

高石さんの講演を真剣に聞き入る当科の1年次生たち

  障害者地域活動センターの畳のお部屋での講演会では、夏休み終盤に「難題」と向き合いました。壁には施設の利用者が描いた、温かい絵画や個性的な書道が並んでいます。





(検査科学科 浦 みどり 記)

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